相続の基礎知識

親族の方が亡くなると相続が発生します。こちらでは相続の基礎知識についてご説明いたします。

ご親族のどなたかが亡くなり相続が発生したら、亡くなった人が所有していた財産を各相続人が自分のものとして自由に使えるよう「遺産を引きつぐ」ための手続きが必要です。

相続においては遺言書の内容が優先されるので、まずは遺言書が存在するかを確認しましょう。遺言書がない場合は、法定相続人が遺産を相続することになります。

相続人を確定させるためには、被相続人の出生から亡くなるまでの一連の戸籍収集が必要です。戸籍収集と並行して相続財産調査を行い、遺産の全容を確認しておきます。

遺言書がない場合や遺言書に記載の無い相続財産があった場合は、戸籍収集と相続財産調査をした後、相続人全員による遺産分割協議を行います。そして、確定した相続財産の分け方を遺産分割協議書に記載し、最後にすべての相続財産の名義を取得した相続人名義に変更して、相続手続きは完了です。

なお、遺産分割協議書は不動産や預金口座などの名義変更にも使用するとても大事な書類ですので、大切に保管しておきましょう。

相続が発生すると、相続人の調査、被相続人の財産調査、遺産分割協議、相続した財産の名義変更・解約など多数の手続きを短期間のうちに行う必要があります。

これらの手続きの中で最も時間を要する可能性があるのが相続人を確定するための戸籍収集です。被相続人が何度か転職や結婚などで転籍をしていた場合、被相続人が本籍を置いたことのある全ての自治体から戸籍を取り寄せる必要があるため、とても手間のかかる作業となります。

相続財産を受け継ぐためには、被相続人の財産調査を行い、相続財産を確定し評価する必要があります。
その際、相続財産に含まれる借金等の債務についても漏らすことなく調査しましょう。相続財産にはプラスの財産・マイナスの財産両方が含まれるため、マイナスの財産が多く含まれる相続では相続放棄を検討することになるかもしれません。財産調査は慎重に行いましょう。

全ての相続財産を調査し終えたら、財産目録を作成して相続財産を一目で把握できるように準備しましょう。

遺産の額によっては相続税の申告・納付が必要となる場合があります。相続財産を評価した結果、相続税の申告・納付が必要になった場合には自らが10か月以内に相続税の計算をして申告・納付をしなければなりません。相続税申告は税務に関する膨大な知識や時間を要する手続きです。

10か月以内の期限は長いように感じますが、実際に手続きを行うとあっという間です。相続の流れを把握しておき、速やかに手続きを始めることをおすすめします。